ミライスピーカー視聴体験会

7月4日(火)三島市民生涯学習センターで(株)サウンドファンのミライスピーカーの視聴体験会を行いました。

台風が近づく悪天候の中、お集まりいただいた皆さまありがとうございました。

難聴の方の多くが、スピーカーの音が聞き取りにくいとおっしゃいます。ただでさえ環境音に邪魔をされているところに、音の質の悪さ(ゆがみ、ひずみ等)や、音が拡散し四方八方に広がってしまうので耳で捉えにくくなるのが原因だと言われています。

ここで誤解されがちなのが、音量の問題です。聞こえないなら音量を大きくすればいいじゃないか、と聞こえる私たちは簡単に考えてしまいますが、問題は音の大きさではなく、音の「質」だということはあまり知られていません。

 

音の「質」とは?

 

難聴者とは聞く耳の世界が「狭い」のだそうです。耳の感覚の領域が「狭い」と考えればいいと思います。狭い中でのちょっとした変化は、難聴者の耳にとってはとても大きな変化と捉えられます。ちょっとしたひずみや音の悪さが、難聴者には気付きやすいということです。

例えば、耳の感覚の領域が「広い」健聴の私たちが、大海原に浮かぶ小舟に気付いても、とるに足らない変化としてあまり気にしないのに対し、難聴者にとっては大海原が小さな池であり、そこに船が浮かんでいたら気になって仕方がない、ということです。

音を大きくすると、それだけ音は割れたりひずみが生じます。補聴器をつけた難聴者の耳元で「聞こえる~!!!!」と大声で言っても、声そのものが割れてゆがんで、かえって聞こえにくいと言われるのはこのことが原因なのです。

難聴者が聞き取りやすい音というのは、雑音がなく、その音がクリアに最小限の変化だけで耳に届く「高品質な音」なのだそうです。

感音性難聴は音を脳に伝える聴覚神経が何らかの原因で機能していない状態をいいます。脳に音を伝える機能が落ちているのなら、耳に届く音質を上げればいいというのが、このスピーカーの発想なのだそうです。

 

どんな仕組み?どんな音?

 

通常、スピーカーの振動板は平面になっているため、音の集音幅が広く、さらに空気中に広範囲に音を拡散する特徴を持っています。

ミライスピーカーの振動板は湾曲していますので、集音幅が狭く、超音波のようにエリアを絞り込んで、音がまっすく正面に向かって放たれるという特徴を持っています。音への余計な負荷が少ないため、ひずみや割れが生じにくく、良質なまま聞く人の耳まで届く設計になっています。

難聴の子どもたちの反応は「聞き取りやすい」といったものでしたが、健聴である私たちもその違いがはっきり分かるくらいに、聞き取りやすいクリアの音質でした。

仮に、補聴器を外した状態で聞いても、これは効果があるだろうと感じました。

例えば、補聴器をしている子どもはプールに入った後は耳の中が乾くまで補聴器を付けられませんが、そんなときにもし震災が起こったら・・・想像するだけでぞっとします。しかし、このスピーカーが教室に標準装備されていたならば、その子どもの命は助かるかもしれない、そんなことも考えました。

ちなみに、ミライスピーカーには2種類あって、今回の試聴会ではカーヴィーとボクシー2の聞き比べもしました。形状に違いがあり、カーヴィーは新機種ですが、聞き比べた結果はボクシー2の方がよりクリアに直線的に音が耳に入ってくるように感じました。カーヴィーは形状的に音が天井に反響して音を室内に広げるという特徴があるので、音そのものをしっかり聞きたい場合、それがかえって反響して音の質を落としてしまっている気がしました。これは好みの問題かもしれません。

 

学校現場で使うならば

 

現在、中学生がリスニングテストでスピーカーの音が聞き取れなくて困っているという報告が上がってきています。例えば、試験のときだけ別室でミライスピーカーで音を聞くようにしたらどうでしょうか?ミライスピーカーは持ち運べる大きさ、重さです。試してみる価値はあるのではないでしょうか?また、小学校の英語の授業にも是非使ってみて欲しいと思います。まずは実証実験を急ぐ必要があると思います。